ふりかえらない

もうすぐ今年が終わる。

今年はいったいなんという年だったのだろう。

でも、悪いことばかりじゃない。そのことを忘れてはいけない。ずっとひたすらそう思って走った1年だった気がする。

あまり驚かなくなった。
いっとき、活字が頭に入らなくなったことからじっくり文脈を追うようになった。

おのれの弱さを改めて嫌というほど知った。

別れと出会いは背中合わせなのだと知った。

私は、去年の私よりもずっとタフになった。

絶望したその先にあったそのことは、私に寄り添うやりかたで私を救ってくれた。

そして、正面からどん!おおきい希望!のようなものに懐疑を抱くようになった。

このことは、いいことなのか悪いことなのかはまだわからない。

けれど「線を引き曲がり消し破きまた紙を用意し線を引いている。その繰り返しの果てにやっとやっと枠ができた」

そんなようなことに余白を感じることができるし、はいどうぞと渡されたり、目の前に見えている希望よりもずっと尊いことのような気がしてならない。