朝焼けの海をみたくて早起きして海に行った。
たき火をしたいなあ、その後に泉の喫茶店サルビア」のナポリタンを食べたいなあ、とかぼんやりと考えながら。

ずいぶんと潮は満ちていたし、波が太くて荒く不規則で、なんだか痒がる子どもがいやいやをしているように見えた。
波を立て陸をこすることで、海みずからが その汚れを落とすと信じているかのようだった。
 
人間に勝手に汚され、それでも母なるだの大いなるだの言われているその存在が、いじましく思えて少し泣けた。 妙に、海が幼く見えた。
 
そして、そう思うことも勝手なんだろう。

それでも朝はやっぱりきれいで、空気は痛いくらいに冷たくて、気持ちが良かった。

サルビアに寄って、コーヒーを飲んだ。ナポリタンは食べなかった。