ニコン

ほんとうは、人をもっと撮りたい。
人の表情や目のひかりは一瞬で、技術は追いつかないしタイミングもずれてしまう。

結局、その人のいい目やぎゅっとした表情を切り取ることができなくて、私の目の裏にだけ残される。
一瞬だけのその光を写真に撮ることができたらどんなに楽しいだろう。きっと今よりもずっと楽しくなる。

自由に撮らせてくれる友だち、あーちゃんの写真はなぜかいつも幼いこどもの顔になっていて、彼女の深い目の色は写真に出てこない。
会うときは、いつもゆるゆると遊んでばかりいるからかもしれないな。


最近、自由になったことがひとつ。
私がいる、その場所の風景や物を撮ることが好きになった。

写真を撮ると言うよりも、その場所になにかを置いていく感覚。
いいな、と思った場所から離れたくなくて、そこに少し私を削って残すような。