海に写真を撮りに行ったら風がもう全方面からすごくて、一瞬で手の感覚はなくなるし、鼻水はでるわ涙もでるわ、ちゃんと立てないしカメラの画面も吹雪で見づらい。
なんでこんな目にあってまで写真を撮りに来ているのだろうと、思いながらもすごく楽しかった。
私にとっては、待望の朝雪だった。ずっと見たかった。

ここでは雪はそんなに降らないから。これっぽっち?と北国のひとたちに申し訳ないのだけれど、いわきではこれが積雪。



海と砂浜の境界線は雪で消えていて、すべてが灰色。
いつも解像度が高く、くっきりとしたラテン系の場所は今朝、目で直接見ても薄く透明で、ぼんやりとした景色。

海なのに森。

必死になって写真を撮っていたら脇の車の中にいたおじさんが「写真撮ってあげましょうか?」と聞いてきてくれて
「この風の状態でお願いしますなんて、申し訳ないし、なんかいろいろぐちゃぐちゃなのでいいです」と言ったら「たしかに!」と爆笑されたほどの風と、雪と涙と鼻水だった。