アルヴィン・ストレイト

帰ったら家の内鍵が締まっていた夜更け。
アルヴィン・ストレイト気分でAM2:30から朝がくるまでの車中泊
シートを倒すと、フロントガラスから星と細い月が見えた。

音楽はかけなかった。何をかけても違うと感じたし、静寂がいちばん心地よかった。
それにアルヴィンは旅の途中に音楽を聴いていない。

考えごとと祈りごとをひとつづつしていたら時間がかかってしまった。少し眠ろう。
1時間くらい爆睡して、起きたら目の前に朝焼け。

毎年白鳥が飛来するおおきな川があって、車を停めて近づくと白鳥やカモがわらわらと寄ってくる。
人間から餌をもらえるのを知っている。駅のハト以上に人間に慣れていて、とても無防備。

低く大きい鳴き声。すこやかで白く、荒々しかった。赤ちゃんの集まりのように柔らかそうな羽根。

寒かったが、晴れていてすっきりとした朝。

あの日の出は良かった。
大きくて派手で、ジャーン!と銅鑼を鳴らしたくなるような立派で松竹映画のオープニングみたいな日の出。