忘れる
忘れてしまうことについて、すこし私はしつこいかもしれない。
物理的なものに関しては忘れっぽい。
例えばスケジュール的なことについてや物の置き場所、名前などをメモしておかないと すぐに忘れてしまうくせに、感覚そのものや言葉や残像というものをひたすらに忘れたくないと、かたちのないものに関して、執着するところがある。
昨日は映画「メメント」と「パーマネント野ばら」を観た。
メメントはもう何度も観ている映画で、それなのに内容に慣れなくて混乱し、観た直後にもう一度観る、が1セットだ。
パーマネント野ばらは、深いところで寂しくて「隙間」を埋めたくている人々の映画だった。いい映画だった。小池栄子がとても好きだ。おもに顔。
私の父が亡くなったときの前後の記憶がない、というのは前にも書いたけれども
忘れたくないという執着は、そこからきているのかもしれない。
今なら、すべてを受け入れられると思う。痛くても、ちゃんと感じられるし大丈夫。
もう7年だ。そろそろ思い出してもいい頃だ。
このことだけじゃなくても、さまざまな事を自分で感じないと忘れる。そのことがとても怖い。
そのうち、忘れていることも忘れてしまいそうだ。メメントの主人公のように、身体に刻みつけたいと思うことがよくある。