さくら

さくらと若菜のおにぎり。
完全にさくら茶にロックオンされている。

情緒があるし、見た目もきれいだし、刻んでご飯に混ぜるだけでさくらのかおりが立ち上る。少しおばあちゃんぽいけど。



さくらの花びらを、塩漬けにして、お湯で溶かしてまた開かせる。

さくら茶を考案したひとは、お洒落で、貪欲で、さびしがりやなひとにちがいない!

結納の日に使われることが多いと書いてあったけれど、縁起ものだからって秋にさくら茶を使ってしまうのではナンセンスだし

はれの日に使う花は、やっぱりその季節の花がいちばん素敵だと思う。





とはいえ、冬の霧雨が降る寒い寒い朝に、作っているのだけれど。さくらをまぶしたおにぎりを。



桜が咲いたら、お弁当を作って、散歩してベンチかなんかで食べよう。

あーちゃんが「がんばっているひとに飲ませてあげたい」と言っていたけれど本当にそう思う。

夜中にぜえぜえと仕事が終わって、皆が寝静まった家に帰りさくら茶を入れると、泣きたくなるくらいの安堵感と鎮静を感じる。

さくら色のお湯が果てしなく優しい。部屋は静かで寒くて。