共犯

バーで働いているときも、イタリア料理屋で働いているときも。

いちばん好きな時間は、開店前と閉店後。

朝いちばんに店にきて、フォカッチャを仕込んだり、閉店後、くたくたになりつつも来てくれたお客さんのことを思ったり、明日の仕込みや仕入れについて考えたり。

閉店後のお店は、なんだか独特で。

カチャカチャと食器をかたしたり、次の日の仕込みをしたり

夢のあと、お祭りのあと、って感じがして。

それは寂しくもあり、秘密を共有したような感じにもなる。

ひっそりとしていて、だから私は飲食店で働くことを、
やめられないのだろうな、と思う。

そのひっそりとした共犯感覚を味わいたくて。